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エアロパーツとは?車の部位の特徴や取り付けるメリット・デメリットについて

エアロパーツ 部品

エアロパーツとは?車の部位の特徴や取り付けるメリット・デメリットについて

車を購入した際やカー用品店などで買い物をしている際に、エアロという言葉を目にすることがあると思います。

一概にエアロと言っても、どのパーツを指しているのかわかりにくいものです。

ここでは、エアロパーツがどのような商品なのか、エアロパーツの特徴、エアロパーツを取り付けることでのメリットやデメリットなどを解説します。

車のエアロパーツとは?

車のエアロパーツとは、車体の走行機能を高めるために、空気力学(以後、空力)を用いて空気抵抗を増減させて運転を快適にさせることを目的として造られたパーツのことを指します。

外国ではスポイラーとなど呼ばれていますが、日本国内ではエアロの名称で呼ばれています。

エアロパーツの3つの役割

エアロパーツの主な役割としては、「空気抵抗の軽減」「ダウンフォースの向上」「ドレスアップ効果」の3つの役割があります。

空気抵抗の軽減

車が速度を上げると、必然的に空気抵抗が増加します。

その際に空気の流れが悪いと、高速走行時に不安定になるのでエアロパーツを用いて車体の挙動を安定化させます。

ダウンフォースの向上

車を高速走行させると、空気抵抗による揚力で徐々にボディが浮き上がります。

これにより、タイヤの設置荷重が減少してタイヤが回転する力を効率的にアスファルトに伝えることができなくなります。

この現象はグリップ力が低下する原因になるので、エアロパーツを用いて車体を押さえつける力を強化することで走行の安定性を向上させることができます。

ドレスアップ効果

エアロパーツは、見た目も考慮されて製造されているので、様々なパーツを組み合わせて装着させることで純正の車にはないオリジナリティを自由に演出することができます。

エアロパーツの材質

エアロパーツといっても、全てが同じ材質で作られているわけではありません。

一般的なものとしては、FRP、ABS、CFRPの3つの種類があります。

それぞれの材質について詳しく見ていきましょう。

FRP

FRPとは、「ファイバー・レインフォース・プラスチック」の略称で、繊維強化プラスチックのことを指します。

プラスチックに繊維状のプラスチックを混ぜ込み製造されるので、軽さのわりには強度が高いのが特徴です。

安価で加工しやすく、耐候性、耐水性、耐薬品性などに優位性があるので、近年のエアロパーツシーンでは最も手軽に導入できて人気のある材質のひとつです。

ABS

ABSは、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンの略で、繊維・ゴム・アクリル・合成樹脂などを主原料として作られるゴムのような弾力がある材質のことを指します。

射出加工や押出加工で製造されるので、加工性がよく精度の高い製品が期待できます。

CFRP

CFRPとは、「カーボンファイバー・レインフォース・プラスチック」の略称で、炭素繊維強化プラスチックのことを指します。

炭素繊維を用いることで、ガラス繊維の3倍以上の強度が見込める製品を製造することができます。

炭素繊維は軽さと強度を兼ね備えた優れた材質ですが、その分費用も高価なモノになる傾向があります。

エアロパーツにおける保安基準

エアロパーツを取り付ける際には、補案上の観点から以下の基準を満たしている必要があります。

車のサイズ許容範囲の基準
軽自動車、小型自動車長さ:±30mm、 幅:±20mm
長さ:±40mm 車両重量:±50kg
普通乗用車長さ:±30mm 幅:±20mm
長さ:±40mm 車両重量:±100kg

エアロパーツを取り付ける際には、上記の基準を踏まえて次のような保安基準を守る必要があります。

  • 最低地上高を地面より90mm以上確保する必要あり
  • フロント、リアともに車体の最端よりエアロパーツが突き出でていないこと
  • エアロスポイラー関連の装着は、溶接やボルト締めなどで容易に外れないよう強固に装着
  • リアウィングは、ウィングの両端が車体の最外側から165mm以上内側に装着されている
  • バンパー最下部よりも低い位置に、半径5mm以下の鋭利な角がないこと

部位ごとにおけるエアロパーツの特徴

部位ごとにおけるエアロパーツの特徴

エアロパーツは、取り付ける場所により名称や機能が異なります。

それぞれの名称と取付位置は以下のようになります。

エアロパーツの種類と取付位置

エアロパーツの名称取付位置と補足
フロントスポイラー車のバンパーやフロント部分に取り付ける。 純正バンパーを取り外して取り付けるタイプがフロントバンパースポイラー。 純正バンパーに取り付けるタイプを、リップスポイラーやフロントアンダースポイラーと呼ぶ。
フロントグリル左右のヘッドライトの間に取り付ける。
サイドステップ車のドアの下部で、フロントタイヤの後方からリアタイヤの前方までに取り付ける。 サイドステップやサイドスカートなどとも呼ばれる。
リアスポイラーリアゲートやトランクリッド(トランクの蓋)などトランクの上部に取り付ける。 ハッチバック車などは、ルーフの延長上に取り付けたりする。
リアアンダースポイラーリアバンパー下部に取り付ける。
ディフューザーフロント、センター、リアとそれぞれ車体底面に取り付ける。
リアウイングトランクグリッドに取り付ける。

エアロパーツの特徴

エアロパーツの種類は、前述のように様々な種類があります。

それぞれの特徴は、次のようになります。

フロントスポイラー

フロントスポイラーは、車の最前面で風を受けて車体の下部やサイドに流れる風をコントロールさせてダウンフォースを発生させ、フロントタイヤの安定性を向上させます。

また、エンジンルームやブレーキダクトに効率的に風を流すことで、冷却効果を向上させ本来の性能を発揮させやすくします。

フロントグリル

フロントグリルは、車の顔にあたる正面に設置されており、エンジンやラジエターをメインに冷却する為の吸気口として取り付けられています。

車の中で最も空気抵抗を受ける場所なので、大量に空気を取り込みながら空気抵抗を減らす構造になっています。

フロントグリルは、フロントスポイラーよりも効率的にエンジンルームを冷却させ燃費効率に貢献します。

また、フロントグリルは車の顔となる部分なので、各社オリジナリティ溢れる凝ったデザインが採用されています。

サイドステップ

サイドステップは、車のフロントからサイドに流れる空気をリアまで効率的に流して、車体下部に巻き込まないようにして車体の走行安定性を向上させます。

リアスポイラー

リアスポイラーは、車体前方から後方へ流れる空気乖離を制御して、後方で空気が渦巻くのを防ぎ空気抵抗を低減させます。

また、空気抵抗を利用してダウンフォースを発生させてリアタイヤのグリップ力を向上させます。

リアアンダースポイラー

リアアンダースポイラーは、リアバンパーの下部に取り付けるパーツで、車体のフロントからリアにかけての空気の流れを最適化し、車体後方の空力バランスを整えます。

リアタイヤ周辺は空気を巻き込みやすいので、後方へ空気を綺麗に乖離させることで高速走行時に安定感を向上させます。

ディフューザー

ディフューザーは、前述のようにフロント・センター・リアとそれぞれの下部に取り付ける空力パーツです。

車体底面に入り込んだ空気を、車体後方斜め上に素早く排出させることで、気圧差によりダウンフォースを発生させ直進性やコーナリングを安定させます。

リアウイング

リアウイングは、トランク上部の蓋部分に取り付ける大型の羽のようなパーツです。

飛行機の羽を逆転させた形状のものが多く、揚力を逆転させてダウンフォースを発生させます。

これにより、比較的低速でもリアタイヤに強いグリップ力を得られることができるので、コーナリングや走行時に安定感が増します。

エアロパーツを取り付けるメリットとデメリット

エアロパーツを取り付けるメリットとデメリット

エアロパーツは、取り付ける箇所により様々な種類と特徴があります。

装着することでの大きなメリットがありますが、一方でデメリットもあります。

エアロパーツを取り付けるメリット

エアロパーツを取り付けるメリットは、以下のようなものがあります。

走行性能が向上する

前述のように、エアロパーツを取り付けることでダウンフォースや空力を用いて走行性能を向上させることができます。

特に高速移動時からの急減速などの際に、顕著に効果を期待することができます。

また、エアロパーツは軽量素材を用いられていることが多いので、車全体の重量を軽くできる面でも走行性を向上させることができます。

燃費が向上する

空気抵抗がないほど燃費は向上する傾向にあるので、エアロパーツを用いて空気抵抗のコントロールを行うことで燃費の向上が期待できます。

エアロパーツでエンジンやブレーキの冷却効果を高めることも、間接的に燃費に貢献します。

デザイン性を高める

エアロパーツは、性能と合わせてビジュアルも考慮して作られているので、複数のパーツを組み合わせることでご自身だけのオリジナルのスタイルを作ることができます。

機能面は同様でも、スポーティーな形状やラグジュアリーな形状など、愛車を自由にカスタムすることができます。

車の査定額が上がることもある

ボディにフロントバンパー、サイドステップ、リアバンパーの3つのエアロパーツを装着している状態をフルエアロと呼ばれますが、高価なエアロパーツを組んでいる場合に査定がアップするポイントになります。

エアロパーツを取り付けるデメリット

エアロパーツを取り付けることでのデメリットは、以下のようなものがあります。

初期費用が高額になることもある

エアロパーツは、数万円のパーツから数十万のパーツまで様々な種類があります。

ある程度セットで購入するケースが多いので、20万円〜60万円など初期費用が高額になることもあります。

また、基本的に未塗装になるので車体の色に合わせて別途塗装する費用も掛かります。

低速走行時に効果を体感しにくい

エアロパーツは、一般的に80Km/h以上の高速時にしか効果を体感できないものが多く、低速時にはあまり効果を実感できないケースもあります。

そのため、高価な金額で購入したにも関わらず、思ったほどに変化しないとがっかりすることもあります。

デザイン重視で購入する場合には問題ありませんが、性能重視で購入する際には十分注意が必要です。

取り付け方法を誤ると効果が逆効果に

機能性を高めるために、エアロパーツを複数つけすぎると逆に総重量が増加して、走行の安定性のバランスが崩れたり、燃費が悪化することもあります。

また、ダウンフォースを効かせすぎるとタイヤが地面に過度に強く押し付けられるので、タイヤの摩耗が早くなり車がスムーズに走行できなくなる恐れがあります。

そのために、エアロパーツを選定する際にはどのような効果を期待するのか明確にして、最適な組み合わせを考慮する必要があります。

車検の基準を満たさないものも

車検では、車体の一番低い部分と地面との垂直距離の下限を前述のように90㎜以上と定めています。

エアロパーツを取り付けてローダウンなどすると、思った以上に車高を下げてしまいこの基準を下回る恐れがあります。

当然の事ながら、この基準をクリアできていない状態では車検に通りません。

車高を下げすぎることでの弊害として、走行時の段差などでエアロパーツが地面に触れて破損することもあります。

ボディとメンテナンス方法が異なることもある

エアロパーツは、ボディと異なる材質や塗料で塗られています。

そのために、ボディよりも早く色褪せてしまうことがあるので、定期的なメンテナンスや専用のコーティングなどを利用して劣化防止対策を施す必要があります​。​

エアロパーツの注意点

エアロパーツの注意点

エアロパーツは、効果的に使用​することで走行性能やビジュアルを向上させることができますが、取り付けに際して注意点もあります。

ボディとエアロパーツの嵌合が悪い

純正のエアロパーツの場合には、ボディに合わせて設計されているので取り付けの際に嵌合が合わないことはありません。

しかしながら社外品や流用品などは、ボディにピッタリ嵌合しないものもあります。

これにより、本来期待できる空気抵抗の低減などもなく、逆に走行時に外れてしまう危険性もあります。

日々のメンテナンスに​手間が増える

エアロパーツは、純正のボディにプラスして取り付けることになるので、日々のメンテナンスにも注意が必要です。

特にドレスアップ目的で取り付けたエアロパーツなどは、繊細なものが多いので洗車などの際に丁寧に取り扱わないと傷や破損させることもあります。

製品によっては、自動の洗車機などが利用できず手洗いのみの対応になります。

取り付けは専門の板金塗装業者にお願いする

エアロパーツはDIYを行い、ご自身で取り付けることも可能です。

しかし、基本的に塗装がされていないのでご自身で塗装をおこない取り付ける必要があります。

白や黒などの単純な塗装ならご自身でもある程度できるかもしれませんが、それ以外の色を用いた場合には、色むらや色合わせが難しくボディの色との差が出てしまい残念なことになります。

また、ご自身で取り付けた際に車検に適合しているかの判断は、素人ではわかりにくいので安心して​走行することができません。

塗装や取り付けは、経験値の多い板金塗装業者にお願いした方が安心です。

まとめ

エアロパーツの部位ごとにおける特徴や、エアロパーツを取り付けることでのメリットやデメリット、そしてエアロパーツを取り付けることに際しての注意点など解説しました​。​

エアロパーツは、純正で付いているものから社外品で購入するものまで様々なものがあります。

車体に取り付けるパーツにより沢山の恩恵を受けますが、バランスを考えて取り付けないと逆効果になることもあります。

基本的にエアロパーツは塗装など施していない製品が多いので、車と色合わせをきっちりおこなってくれる板金塗装業者に依頼すると安心です。

ご自身での取り付けに不安がある方は、一度専門の業者に見積もり依頼だけでもしてみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者

オクタゴンスタイル代表 藤本 武丸

1980年に創業した㈲八起自動車工業を継承し、自動車板金塗装会社として、長年多くのを塗装・修理を行ってきた。
長年培ってきた知識と技術、さらに貪欲に最新技術を学び、常に最高品質の施工ができるよう努めている。

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