好きで購入した色の車も、長年乗っていると飽きてきてしまうこともあるでしょう。
また、駐車の際にこすったり、ぶつけたりして、車体についてしまったキズをどうにか隠したいというケースもあるはずです。
そんなときには「オールペン」と呼ばれる施工が役立ちます。
しかし、オールペンは衣装替えのように簡単にできるほどお安いものではありません。
車は税金や保険の支払い、車検などいろいろな費用がかかりますから、せっかくオールペンをするのなら、できるだけ出費を抑えたいというのが多くの人の本音でしょう。
そこで今回は、オールペンの費用相場や、費用を抑えるコツについてご紹介いたします。
Contents
オールペンには3種類ある
「オールペン=全塗装」というイメージがあるかと思いますが、実際オールペンには、「簡易オールペン」「一般的なオールペン」「完全オールペン」の3通りの方法があります。
車を塗装するという工程そのものは同じです。
しかし、仕上がりや処理に違いがあるため、簡易か完全にするかは人それぞれです。
簡易オールペン、完全オールペンの特徴と、メリット・デメリットをそれぞれ以下にまとめました。
簡易オールペンとは
簡易オールペンとは、その名の通り作業工程が簡易なオールペイントのことを言います。
車体を全塗装することは変わりませんが、塗装する際にミラーやバンパー、テール、ライト、ハンドルなどは外しません。
簡易オールペンを行う場合は、基本的にパール類はマスキングテープなどを使用して、塗装が付かないよう処置を行います。
簡易オールペンのメリット・デメリット
簡易オールペンのメリットは、完全オールペンよりも費用が安いことです。
ミラーやバンパーなどのパーツ類を外さない分、作業コストが抑えられるため、その分価格も安くなります。
少ない予算でオールペンを行いたい人にとっては、簡易オールペンの方が負担は少ないです。
しかし、パーツを外さずに塗装を行うため、パーツの付け根部分の洗浄が十分に行えなかったり、細かい部分まで塗装が入らなかったりするリスクもあります。
そのため、車体の色自体を変えるオールペンを希望する人にはあまり向いていないかもしれません。
予算面よりも仕上がりを重視したい方には不向きな施行と言えます。
一般的なオールペン
一般的なオールペンは、オールペンとして行われているもっともスタンダードな形です。
簡易オールペンのようにすべてのパーツを残すのではなく、簡単に外せる部分のみ取り外して全塗装を行います。
外す際、壊れてしまうリスクがある部分はそのまま残し、マスキングテープなどを使用して処置する流れです。
あくまでも無理なく取り外せるパーツのみ外すため、一般的に選ばれている全塗装となります。
一般的なオールペンのメリット・デメリット
残した方が良いパーツは残し、無理なく外せるパーツは取り外して塗装を行うので、車に負担をかけずに塗装できることが大きなメリットです。
仕上がりも簡易オールペンと比べれば十分キレイなので、一般的なオールペンで十分でしょう。
とはいえ、すべてのパーツを取り外して塗装を行うわけではないので、仕上がりに完璧を求める人にとっては、パーフェクトさに欠ける場合もあります。
完全オールペンとは
完全オールペンは、取り外せるパーツをすべて外してから塗装を行います。
希望と予算があれば、車外パーツだけでなく、シートなどの内装パーツの取り外しにも対応してもらえます。
完全オールペンのメリット・デメリット
取り外すパーツが多いため、かかるコストはかなりの額です。
そのため、金額重視の方にはあまり向かないでしょう。
しかし、パーツをすべて取り外すため、塗装自体の仕上がりは申し分ありません。
ただ、完全オールペンは費用がかかるだけでなく、作業工程もかなり時間と手間がかかることから、どの業者でも行っているわけではありません。
完全オールペンを希望する場合、業者選びから行う必要があります。
オールペンの費用相場
さて、ここからはオールペンの費用相場についてです。
相場と言っても、簡易か一般かによって費用が異なります。
簡易オールペンはどうしても仕上がりが劣ってしまうため、今回は「一般オールペン」を行った場合の費用相場についてまとめました。
クラス | 参考車種 | 費用 |
---|---|---|
軽S | アルト、ミラ、ミニカ、ライフ、ピノ キャロル、エッセ | 17~32万円 |
軽M | ワゴンR、ムーブ、デイズ、ekワゴン、モコ、MRワゴン、ステラ、オッティ | 19~35万円 |
軽L | タント、N-BOX、パレット、ekスペース スペーシア、エブリー、アトレイ | 20~39万円 |
S | パッソ、ヴィッツ、マーチ、フォト デミオ、スイフト | 22~37万円 |
M | カローラ、ランサー、シビック、コルト ソリオ、ティーダ、キューブ、イスト | 24~40万円 |
L | プレミオ、ラウム、ファンカーゴ アイシス、プリウス、カローラフィルダー | 28~42万円 |
LL | アイシス、カムリ、プログレ、インサイト レガシーセダン、インプレッサワゴン | 30~45万円 |
3L | クラウン、アリスト、ティアナ、フーガ マークX、アコード、レガシーワゴン | 40~50万円 |
4L | セルシオ、シーマ、レクサスLS460 | 50~80万円 |
特L | レクサスLS600h | 別途見積もり |
2BOX S | シエンタ、フリード、ポルテ、スパイク | 30~53万円 |
2BOX M | ステップワゴン、VOXY、NOAH、セレナ オデッセイ、ヴィアンテ | 45~70万円 |
2BOX L | アルファード、ヴェルファイア― エルグランド | 65~80万円 |
費用に差があるのは、同色か色替えかでかなり料金が異なるためです。
また、塗装にもいろいろな種類があるため、塗装費用も状況によって異なります。
見てわかる通り、一般オールペンとはいえ、決して安い金額ではありません。
塗装業業者は価格を比較し塗装工程もチェックすることが大事
オールペンをできるだけ安く行うには、複数の業者の価格をチェックして比較することが大切です。
1社だけに絞らず、とにかく数多くの業者と見比べましょう。
比較することで、より価格の安い業者が見つかりやすくなります。
また、業者情報をリサーチする際は、価格だけでなく塗装工程も合わせてチェックすることが重要です。
価格が安い業者のなかには、塗装が雑な悪徳業者も存在します。
安く塗装ができても、劣化するのが早かったりして、中古車としても価値を下げてしまうリスクがありますので、安くても作業に手抜きがないか確認しておきましょう。