車を新品状態に戻す「レストア」とは

レストア(restore)とは、直訳すると「復元する・復活する」という意味があります。

一般的には車の復旧の際に使われる言葉で、クラシックカーやヴィンテージカーなど、製造されてから時間がたってしまった車をもう一度乗れるようにすることです。

製造から期間がたってしまった車は内部部品が経年劣化していることが多いです。

レストアを行うことで、内部部品を新品の状態に戻すことが出来るので、製造されてから期間がたってしまった車も引き続き乗ることが可能なのです。

レストアで行われる修復としては、塗装面、内部部品、タイヤ周り、エンジン、トランスミッション、シートなどの内装などが修復範囲となっています。

ベースの車はそのままで、内部部品などを総入れ替えすることもあるので、比較的費用が大きくなることがありますが、購入してから20年たった車をレストアすることで、新品同様に復元されているので、引き続き車に乗ることが出来るのです。

廃盤になっているような車などを中古で購入してレストアする人が増えているのです。

2018年にマツダが初代NAロードスターのレストアサービスを始めるなど、メーカー側がサポートを始めている車種もあります。

レストアすることでより長く車に乗ることが出来るので、人気となっています。

レストアについて

検査と修理が目的の「オーバーホール」とは?

レストアと似たような言葉に、オーバーホールというものがあります。

オーバーホール(overhaul)を直訳すると、「分解して見直す・徹底的に直す」という意味です。

車の内部部品を検査・修理して、新品同様の性能を出すことが目的です。

車の内部のほとんどは金属で出来ていますが、金属は劣化しにくいですが錆や汚れで車の精度が落ちることがあります。

ゴムパッキンも長期間乗っていると劣化してボロボロになりますし、エンジンやトランスミッションなどは分解・洗浄することで新品同様の性能を出すことが出来ます。

レストアとオーバーホールの違いとは?

レストアとオーバーホールは、どちらも経年劣化した車を復元するもので、違いがよくわからないという人も多いはずです。

ここでは、レストアとオーバーホールの違いについて詳しくご紹介します。

レストア:復元すること

エンジンやその他のパーツは劣化していれば新品と交換することが多く、内装や外装も修復の範囲内に入っていることが多いです。

そのため、費用が高めになる傾向です。

オーバーホール:分解して見直す

エンジンやパーツは分解と洗浄で元に戻すことを基本としています。

どうしても交換が必要なパッキンなどは付け替えて、内装や外装は修復範囲ではないことが多いです。

費用はレストアよりは安めです。

このような違いがあります。

レストアは車両全体を修復するのに対し、オーバーホールは機械部分だけを分解、洗浄して組み立て直すことで元の性能を出すという方法です。

修復範囲が狭く、復元するレストアとは目的も異なります。

オーバーホールについて

レストアとオーバーホールの選び方

自分の車を修理するときに、レストアとオーバーホールのどちらを選ぶべきか悩んでいる人に向けて、どちらを選べばよいかご紹介します。

旧車を購入したときはレストア

旧車と呼ばれるクラシックカーやヴィンテンジカーを購入し、これからも乗れるようにするためには、レストアを利用しましょう。

オーバーホールでは分解と洗浄を主に行うのですが、エンジン部分がすでに寿命になっている可能性が高く、旧車を長期間乗れるようにすることは向いていません。

レストアであれば外装やシート部分も張替えを行ってくれるので、ほぼ新車の状態に戻してくれます。

旧車のレストアには数百万から一千万円ほどかかる可能性があるので、旧車を購入するときには注意をしましょう。

レストアされている旧車を購入するという方法もあるので、どちらが安価になるか検討してから購入するようにしましょう。

レストアとオーバーホールの選び方

車検と一緒に車の修理を依頼するときはオーバーホール

車は十年以上乗っていると、様々なところに不備が出てきてしまいます。

エンジンやトランスミッション部分での修理が増えているのであれば、オーバーホールを利用することでもう少しだけ長く乗ることが出来ます。

外装や内装、他の部分の修理はしないので、安価に済ませることも出来ます。

今乗っている車を少しだけ長持ちさせたいというときにはオーバーホールが向いているでしょう。

事故車を修復したいときは部分レストア

事故車をもう一度乗りたいという場合や、事故を起こしたときにフレームや一部を修復したいときは、レストアを利用する人が多いです。

新しいものと交換してくれて、ほぼ新品の状態にすることが出来るのがレストアの魅力なので、事故を起こした車を修復するときはレストアをした方が事故の癖などがつかないでしょう。

部分的にレストアすることも出来るので、事故で損傷があった場所だけをレストアすればより安価に修理が出来ます。

車を販売するときにオーバーホール

車を売るときに、出来るだけ高額買取してもらいたいときに、オーバーホールを利用する人もいるようです。

しかし、買取金額よりもオーバーホールの金額が高くなるケースもあるようなので、自動車整備を行っているメーカーやお店で相談してから決めるようにしましょう。

旧車はレストアしてから販売したほうが高額買取をしてくれることが多いので、年式によってはレストアするようにしましょう。

こちらもメーカーや整備士に相談してから行うと、損をしないで済みます。

状態の良い車の方が買取金額が高くなるので、一度検討するようにしましょう。

まとめ

今回は、レストアとオーバーホールについてご紹介しました。

レストアをするときはメーカーに任せる方がスピーディに行えます。

個人の自動車工場や車検を行っているような車の修理メーカーなどでも行えますが、フルレストアをするときはメーカーに任せた方が安全ですし、部品などの仕入れもスムーズに行えます。

オーバーホールは自動車工場などで行うのが主流なので、安価に済ませることが出来ます。

レストアやオーバーホールを利用することで、車を長く乗ることが出来るので、気に入っている車があれば利用するようにしましょう。

レストアとオーバーホールの違い

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