オールペンは車体の景観を一新する画期的な方法ですが、このプロセスには予期せぬリスクも潜んでいます。
例えばツヤ消し塗装をすると汚れが付着しやすくなった、純正カラーよりも色褪せが早いなどのトラブルでお悩みの方も多いです。
「こんなはずじゃなかった!」
とならないためにも、オールペンで起こった実際の失敗例や注意点も理解しておきましょう。
ここでは、「オールペンでひどい目に合わないための注意点」「信頼できる業者の見極め方」をご紹介します。
オールペンに興味がある方、これからオールペンしようと思っている方はぜひ参考にしてみてください。
Contents
オールペンは車を新しく生まれ変わらせることができる魅力的な方法
車のオールペンとは車体を塗装し直す作業のことで、オールペイント・全塗装とも言います。
この作業を行うことによって古い印象だった車を新車のような印象に変えることができるとして大変人気です。
ただし、費用や時間がかかる・失敗例もあるなど不安な要素もあります。
オールペンを行う際にはマイナス面もよく理解してから業者を選ぶことが大切です。
オールペンが人気の理由
- 古い車を新車のようにすることができる
- 自分の好きなカラーに変えられる
- 小さな傷や凹みをうまく隠すことができる
このような理由からオールペンは人気があります。
ただし、軽い気持ちで依頼して失敗してしまったという例も多々あるので、慎重に考えて行いましょう。
オールペンでひどい目に合うこともあるって本当?
オールペンでひどい目に合ったという方がいるのは本当です。
費用が安いからという理由だけで業者を選んで仕上がりに愕然としたという話も少なくありません。
- 近くで見ると色ムラがある
- 思っていた色と違う
- 数年で塗装が剥がれだした
- よく見ると塗装に気泡が混じっている
など
さまざまなトラブルを訴える人もいます。
オールペンする際には、そのメリット・デメリットを理解して信頼できる業者に依頼することが大切です。
オールペンでよくある失敗例
車のオールペン作業は正確な知識や技術がないと深刻な失敗につながることがあります。
ここでは実際によくある失敗例をご紹介します。
思っていた色と違った
お客様が思っている色と塗装された色が違うというトラブルは意外と多いです。
同じ白でも種類は多くパールが入ったものやクリーム色に近いものまでさまざまです。
お客様と業者の間で綿密な打ち合わせが行われていないとこのようなトラブルが起こってしまいます。
業者に色を伝える際には色見本を見ながら正確に伝えることが大切です。
業者が所有しているカラーに気に入ったものがなかった場合は取り寄せてもらいましょう。
塗装の品質が悪かった
塗装の品質が悪いことが原因で起こるトラブルもよくあります。
品質が悪いことによって起こる主なトラブルは以下の通りです。
- 不均一なカラー
- 塗装ムラ
- 塗装はげ
- 塗装に気泡が混じる
など
塗装の品質が低いと上のようなトラブルが起こることがあります。
安い費用で行われるオールペンは必要な作業を飛ばして行っていることが多いため、このような失敗が起こりやすいと言われています。
業者を選ぶ際には丁寧な工程で作業を行う業者を選びましょう。
すぐに色褪せてきた
オールペンで行う塗装は新車時の塗装に比べて持ちが悪く劣化が早いため、色褪せが起こりやすいです。
特に安くて質が悪い塗料を塗ると耐久性が低くて持ちが悪いと言われています。
大きな出費をしてオールペンしたのにすぐに色褪せが起こるともったいないので塗料の品質にこだわることも大切です。
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車体に傷がついていた
オールペンでは塗装作業中に研磨してツヤを出します。
その際に不適切な研磨紙を使用すると表面に傷がついたり、塗装が不均一になったりすることがあります。
作業後に今まではなかった傷が付いていた場合は作業ミスの可能性もあるので注意が必要です。
希釈材の割合が悪い
塗装する際には塗料に希釈剤を混ぜて使用しますが、その割合を間違えるとさまざまなトラブルを引き起こしてしまいます。
以下で希釈剤の割合間違いによるトラブルをご紹介します。
希釈しすぎた場合 | 塗装が薄い・色ムラがある |
---|---|
希釈が足りない場合 | 塗装が濃い・塗装が分厚い・色ムラがある |
希釈剤の割合を間違うと上のようなトラブルが起こる可能性があります。
希釈しすぎても、しなさ過ぎても問題になるので、業者の技術や経験が重要です。
オールペン後すぐに上のようなトラブルがあった際には業者に連絡しましょう。
では次に上のような思いもよらないトラブルに合わないための注意点をいくつかご紹介します。
車のオールペンでひどい目に合わないための注意点
オールペンでひどい目に合わないためにはいくつかの注意点があります。
事前に注意点を理解して納得できる仕上がりになるようにしましょう。
信頼できる業者に依頼する
車のオールペンを行っている業者はたくさん存在しますが、業者によって塗装方法や費用が違うのでしっかりと確認しましょう。
できれば業者の方と一度顔を合わせて話し合い、その時の印象を確認するのも大切です。
お客様の要望に親身になって聞いてくれる業者に依頼しましょう。
費用だけで決めない
オールペンの費用は業者によって大きく違いますが、安すぎる場合はオールペンの品質に問題があるかもしれないので注意が必要です。
費用が違う理由…
- 業者によって使用している塗料が違う
- 業者によって工程が違う
- 業者によって作業にかかる日数が違う
このような理由から費用に差が出ると言われています。
当然安い塗料を使って短い工程で作業をすれば費用を抑えられますが、安い塗料を塗布しても耐久性が低く早期に色褪せや剥がれなどのトラブルが起こる可能性があるのでおすすめできません。
また、必要な工程を省けば仕上がりは微妙なものになってしまいます。
長期的に美しい状態を保ちたいなら価格だけを重視して業者を決めないことが大切です。
目的をはっきりとさせる
オールペンの目的は人によってさまざまです。
以下でお客様からよく聞くオールペンの目的をご紹介します。
- 古い車を新しくよみがえらせたい
- 塗装が劣化してきたので塗り直したい
- 車のカラーを変えたい
- クラシックカーのオールペンをして査定額を上げたい
主にこのような理由でオールペンをするお客様が多いです。
目的によって理想とする仕上がりが違うので、まずはお客様自身がどんな目的でオールペンをするのかをはっきりとさせましょう。
目的がはっきりとしたらそれができる業者を見つけて、詳しく仕上がりのイメージを伝えることが大切です。
塗装方法を確認する
オールペンをする際には塗装方法や塗装工程を確認しましょう。
塗装方法や工程は業者によって違うため、仕上がりの美しさも変わってきます。
工程が多く丁寧な業者は費用も高いことが多いですが、その分持ちが良くて再塗装するまでの期間が長いため長期的に考えるとお得だとも言えます。
塗装方法や工程についてはホームページに掲載している業者も多いので、ホームページを確認するのもおすすめです。
車体価値を上げるためにオールペンするのは避ける
今まで所有していた車を売却する際にオールペンしてから査定に出した方が良いと考える人がいますが、それはできるだけ控えましょう。
査定額を上げるためにオールペンするのを避けるべき理由は以下の通りです。
- オールペン自体に費用がかかる
- オールペンしたこと自体が査定額を下げることがある
- オールペンした車の査定額が上がることは少ない
このような理由が挙げられます。
そもそも、中古車市場では純正カラーの方が人気です。
また、純正カラーはオールペンした車より機能面も高いので、オールペンした車は査定額を下げられることの方が多いということを覚えておきましょう。
仕上がりが美しい場合は査定額が上がることも!
一般的にオールペンした車は査定額が下がる傾向にあります。
しかし、仕上がりがかなり美しい車やクラシックカーのように希少価値が高い車の場合は査定額が上がることもあります。
査定額が上がる可能性がある車
- クラシックカー
- 希少価値が高い車
- 生産がストップしているけれど未だに人気がある車
このような車は人気があるため、綺麗に仕上げると査定額が上がることもあります。
ただし、仕上がりが美しいということはそれだけ手間がかかっているということでもあるため、オールペン自体にかなり費用がかかると思っておきましょう。
では、そもそもオールペンはどんな業者に依頼すれば良いのでしょうか。
そもそもどこでオールペンってできるの?
車のオールペンはさまざまな業者が行っています。
これからオールペンできる主な業者を5つご紹介するのでチェックしてみましょう。
- ディーラー
- 板金塗装業者
- 自動車修理工場
- 中古車販売店
- カー用品店
- ガソリンスタンド
車のオールペンを依頼できる業者は主にこの5つです。
これらの業者の中から信頼できる業者を見つけてオールペンを依頼しましょう。
では、次に信頼できる業者の見極め方をご紹介します。
信頼できる業者の見極めポイント
車のオールペンは依頼する業者によって仕上がりにかなりの差が出てしまいます。
技術力が高く質の良い塗料を使用している業者を見つけて依頼することが大切です。
ここでは信頼できる業者を見極めるために大切なポイントをいくつかご紹介します。
技術力が高い業者に依頼しよう
車のオールペンは職人の技術力がかなり必要な作業です。
小さな傷を塗装するだけの作業であればそれほど技術力が必要ありませんが、車体全てを再塗装するとなると職人の技術力が重要になってきます。
技術力が高い職人がいるかどうかは、オールペンの実績数・実際に行った際の写真などをチェックするのがおすすめです。
インターネットの口コミも確認しましょう。
技術力が高い業者を見つけるためのコツ!
- 実績数を確認する
- どんな車種のオールペンをしてきたかを聞く
- 口コミを確認する
- 質問したら工程を丁寧に教えてくれる業者を選ぶ
- 費用が安すぎない業者を選ぶ
- 専用設備が整っている業者を選ぶ
このような点に注目すると技術力が高い業者を見つけられるでしょう。
品質が高い塗料を使っている業者を選ぶ
業者によって使用している塗料が違います。
塗料によって色の鮮やかさ、機能性、耐久性がかなり変わってくるので、どんな塗料を普段使っているか、そして愛車のオールペンではどの種類の塗料を使おうと思っているかを聞いてみましょう。
品質が良い塗料は価格もそれなりに高いことが多いですが、その分持ちが良くて美しい状態をキープできるので機能性も重視して塗料を選ぶことが大切です。
機能性が高いおすすめ塗料メーカー名をご紹介!
- スタンドックス
- アクサルタ
- クロマックス
このような塗料であれば品質はまず問題ないでしょう。
ただし、機能性が高い分費用もかかります。
お客様が求める仕上がり状態と費用のバランスを取って塗料を決定しましょう。
塗装工程が丁寧な業者を選ぶ
業者によって塗装工程にかなりの違いがあります。
オールペンのために全ての部品を取り外す業者もいれば、ある程度見えない部品は取り外さずにそのまま塗装する業者もいます。
オールペンを依頼する業者を選ぶ際には、工程内容を確認しましょう。
車のオールペンの一般的な流れ
では、車のオールペンの一般的な流れをご紹介します。
ここでご紹介する工程はあくまで一般的な工程なので、業者によってかなり違うと思っておいて下さい。
では、基本的な工程をご紹介します。
1.見積もり作成
まず愛車を業者に持って行って見積もりを出してもらいましょう。
見積もりの際に、色・作業に必要な期間・費用・工程など気になることを確認しておくことが大切です。
2.洗車
洗車をして車に付着した汚れを落とします。
3.傷の補修
傷や凹みがある場合は、補修作業を行います。
部品の取り外しが必要な場合は先に部品の取り外しを行います。
4.部品の取り外し
塗装の際にはいくつかの部品を取り外します。
仕上がりを美しくしようと思うとこの時点でできるだけ多くの部品を外しておくことが大切です。
ただし、取り外す部品が増えるほど費用が高くなります。
どこまでの仕上がりを求めるかは業者と相談しましょう。
5.古い塗装の除去
部品の取り外しが終わったら古い塗装を剥がしていきます。
6.全塗装の下処理
古い塗装を外したらいよいよ全塗装のための下処理です。
車体に付着した汚れを再度落として足付け作業(塗装を剥がれにくくするための処理)とマスキングを行います。
7.塗装
下処理が終わったらいよいよ塗装スタートです。
8.部品取り付け
塗装が無事終わったら外していた部品を取り付けます。
9.研磨
部品を取り付けたら全塗装した車体を磨きます。
磨くことによって塗装の厚みが均一になりボディが美しくなります。
10.コーティング
コーティングはオールペン後の車体を保護するための作業です。
業者によっては省くことが多い工程ですが、この作業をすると持ちが良くなり見栄えが良くなるのでおすすめです。
簡単にご説明しましたがこのような流れで行います。
パッと見ただけでも工程数の多さに驚かれたことでしょう。
より美しく仕上げようと思ったらさらに工程が増えるため、これ以上に時間と費用がかかることを知っておきましょう。
塗装用ブースがある業者を選ぼう
車の塗装用ブースがある業者はまず信頼できるでしょう。
オールペンしている業者の中で塗装用ブースがある業者はかなり少ないため、このようなブースがある時点で全塗装に力を入れている業者だということが分かります。
また、全塗装の仕上がりを良くしようと思ったらそれに見合った設備も大切だと言われています。
信頼できる業者を見つけるためには、その業者の設備にも注目することが大切です。
板金塗装工場がおすすめ
車のオールペンを依頼するなら板金塗装業者に依頼するのがおすすめです。
板金塗装業者は名前の通り板金と塗装の専門的な知識や技術力が高いため、主に板金と塗装作業を行うオールペンを依頼するのに向いています。
車のオールペンを板金塗装業者に依頼するという発想が思い浮かばない人も多いですが、実際には技術力が高く融通が利く業者が多いので、一度愛車を持って相談に行ってみるのもおすすめです。
まとめ
車のオールペンは依頼する業者によって仕上がりが格段に変わります。
せっかく色を塗り替えて美しくしようと思って全塗装したのに、思っていた仕上がりと違って後悔しないためには信頼できる業者に依頼することが大切です。
信頼できる業者を選ぶポイントは、技術力・使っている塗料・設備です。
オールペンは美しくすれば車を魅力的に新しく生まれ変わらせることができる素晴らしい技術です。
信頼できる業者を見つけて愛車を生まれ変わらせましょう。